情 報
日常診療で良く受ける質問、産婦人科診療について、新聞・雑誌記事などについて思うことなど。このコーナーでは産婦人科診療について、あまり学術的なことにこだわらず、私見も含めて作成しています。
妊娠判定薬
近年妊娠判定薬が薬局でも簡単に購入できるようになりました。最近はご自分で妊娠判定を行ってから来院される妊婦さんも増えてきました。そこで妊娠判定薬についてお話しします。
(1)妊娠判定薬について
- 妊娠判定薬は尿中に出てくるhCG(人絨毛性ゴナドトロピン:human chorionic gonadotoropin)という物質を検出する試薬です。hCGは妊娠初期から胎盤の組織で産生・分泌されるホルモンです。
- 妊娠判定試薬は約25年位前から普及しはじめ、現在では妊娠診断に欠かせない診断薬です。特に最近は高感度の妊娠診断薬の登場によって、妊娠の早期診断の他、医療の現場では流産などの異常妊娠の診断、管理、予後判定にも役立っています。
- 現在ほとんどの施設で使われ、また薬局でも販売されている試薬は、数年前の試薬と比べて測定感度が大幅に(約20倍)向上されごく少量のhCG(20IU/1〜50IU/lという量)まで測定することが出来るようになりました。
- 判定方法も非常に簡単になり、尿に浸すか尿を滴下したりかけるだけで誰でも3〜5分で判定できるようになりました。
(2)妊娠の診断について
- hCGホルモンは排卵・受精後7〜9日目(すなわち次回月経予定の5〜7日前)には妊婦尿中に出現します。その後急激に増加し妊娠9〜13週でピークに達しその後18週くらいまで漸減。以後妊娠末期まで分泌されます。
- 市販のものでも判定薬によっては月経予定日の数日前より妊娠診断ができるものもあります。一般に、月経が2〜3日予定より遅れるようならまず一度判定薬を試してみてはどうでしょうか。一度目の判定が陰性でもさらに5〜7日無月経が続くようなら、もう一度検査をしてみてはいかがでしょうか。
(3)hCGと異常妊娠
- 異常妊娠
- 流産:流産でも妊娠反応は陽性に出ます。市販の判定薬だけでは流産と正常妊娠との鑑別は出来ません。時に、一度妊娠反応が出た後、出血などと共に妊娠反応が陰性になることもあります。
- 胞状奇胎:一般にhCGの分泌量は正常妊娠より多くなります。正常妊娠と同様に妊娠判定薬で陽性反応が出ます。
- 多胎妊娠(双子など):一般にhCGの分泌量は正常妊娠より多くなります。正常妊娠と同様に妊娠判定薬で陰性反応が出ます。
- 子宮外妊娠:hCGの分泌量は正常妊娠と同等か少な目です。ほとんどの場合、正常妊娠と同様に妊娠判定薬で陽性反応が出ます。
- 異常妊娠の診断は妊娠判定薬だけでは出来ません。妊娠反応が陽性になったら出血や痛みなどが無くても、出来るだけ早く産婦人科を受診してください。超音波診断などで、子宮内の胎嚢・胎児・胎児心拍を確認することが診断上重要になります。
(4)妊娠反応(市販の)が陽性で妊娠でないことがあるか?
妊娠反応が陽性なら、ほぼ間違いなく妊娠と思います。ただし説明書に書いてある判定方法をきちんと読んで判定方法を誤らないことが大切です。当院を訪ねられる患者様でも時々妊娠反応陽性にもかかわらず妊娠していない患者様がおられますが、そのほとんどは判定方法の誤りです。
近年超音波診断装置の性能向上にともない妊娠初期の診断が様変わりし、妊娠初期の超音波検診が重要視されてきました。
(1)妊娠初期の超音波写真

- 写真左(妊娠4週の子宮)妊娠反応は陽性ですが、子宮の中、内膜の部分(矢印)にはまだ何も見えません。
- 写真右(妊娠6週の胎児)約8mmの胎児にはもう心臓の拍動が確認出来ます。
(2)妊娠初期の超音波所見
超音波診断装置の性能によっても若干は異なりますが、妊娠初期に経膣式の超音波装置を用いることで・・・
- 胎嚢(胎児を入れた羊水の袋)は5週位から見られます。
- 胎児心拍は6週のなかばから見られます。
- 胎児の大きさは
- 6週で2mmから10mm。
- 6週の後半になれば経膣式超音波で心拍はほぼ100%確認出来ます。
- 7週で10mmから15mm位です。
- 8週になると運が良ければ、赤ちゃんの腕や足、赤ちゃんが動くのもわかります。
- 10週位になると顔の形も見えることが出来ます。
(2)妊娠初期の超音波診断の重要性
妊娠初期(6〜10週)頃、超音波検査を行うことにより、以下に揚げるようにたくさんの情報が得られます。その為にも、妊娠がわかったらなるべく早めに産婦人科を受診して下さい。
- 子宮外妊娠の診断:出血前の子宮外妊娠の発見も可能になってきました。
- 流産診断:性器出血がなくても流産が診断されることもあります。
- 双胎妊娠の診断:一卵性と二卵性の鑑別診断が出来るようになりました。ただし、妊娠10週くらいまでに超音波検査を受けないと一卵性二卵性の鑑別が困難になります。
- 胎児奇形の診断:無脳症などの大きな奇形は早ければ妊娠10週位に診断できることもありまます。
- 卵巣嚢腫や子宮筋腫合併の早期発見:妊娠中に子宮筋腫や卵巣嚢腫が発見されることも珍しくありません。
- 分娩予定日の診断:最終月経から妊娠週数を計算する場合、月経周期が28日、排卵日が月経14日目(月経開始日を0日目として14日目)と仮定しています。しかし、月経周期によっては最終月経から算出した週数は必ずしも正確ではありません。そこで最近では、基礎体温や婦人科での診察などから予測される排卵日や妊娠7〜10週頃の赤ちゃんの大きさ(CRL:座高)から妊娠週数や分娩予定日を補正するのが一般的です。
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当院では骨量の測定(骨粗鬆症の検査)が出来ます
検査をご希望の方は受付にて遠慮なくお申し出下さい。
- 元来硬く丈夫に思われている骨ですが、骨の量は30代でピークに達し、その後年齢とともに徐々に低下していきます。特に女性の場合は、もともと骨の量が男性に較べて少ないうえ、更年期をきっかけに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少するのがきっかけで急激に減少します。
- どんな人が検査を受けたら良いでしょう
- 20歳以上ならばどなたでも結構です。男性でもご希望があれば検査することが出来ます。
- 更年期を迎えた方。
- 卵巣摘出手術を受けた方。
- 月経不順や無月経のある方。
- 分娩後の女性、分娩回数の多い方。
- カルシウム摂取量が少ない方(あまり牛乳・乳製品・小魚・とうふをとらない)
- どちらかといえば細身の方。
- 運動をあまりしない方。
- 日に当たる機会の少ない方。
- タバコ・アルコール摂取量の多い方。
- 糖尿病や、消化管の手術を受けたことのある方。
- ちょっとしたことで骨折したことのある方。
- 検査の方法
- 当院の検査方法はDEXA法といって、正確で安定した結果が得られるのが特徴です。検査は数分で終了し、結果もすぐにわかります。骨を測るというと何か大げさな検査とおもわれがちですが、骨の量を測る専用の機械で痛みもなく短時間で測定することが出来ます。検査をご希望の方は、来院時に受付か、看護婦にお申し出下さい。
- なお、骨粗鬆症の治療が必要な方は当院で治療(女性ホルモン補充療法・ビタミンD・カルシウム剤・栄養指導 等)も行っています。
- 骨粗鬆症とは?
- 骨はカルシウムや繊維などで出来ていますが、年齢とともにその量が減少し、ついには骨の中身がスカスカでもろくなり骨折を起こしやすい状態になります。このような状態を骨粗鬆症といいます。
- エストロゲン(女性ホルモン)は骨からのカルシウムの消失を防ぐ働きをしています。女性は更年期を迎えるとエストロゲンの産生が急激に低下するため、男性に較べて高い確率で骨粗鬆症になります。
- 骨粗鬆症に罹患すると、骨折を起こしやすくなり、時には痛みを伴います。また、骨粗鬆症は、脳血管障害について、寝たきりになる原因の第二位です。
会陰切開について
- お産でいよいよ赤ちゃんの頭が出てくる時期に膣の出口にちょっとハサミを入れて、赤ちゃんが出てきやすくするのが会陰切開です。当院では出来るだけ会陰切開を避けるようこころがけています。
- なぜ会陰切開をするのでしょうか?
- 赤ちゃんにとっていちばん苦しい時期を短くして元気に産まれてきてもらうためです。会陰部が充分に伸びるのを待つよりも、速やかに赤ちゃんを出す方が安全であると考えるときには会陰切開を行います。
- 赤ちゃんの頭がでてくるときに腟口が裂けるのを防ぐことです。ギザギザに裂けたり肛門の方まで傷が広がったりすると、傷の直りにも時間がかかってつらい思いをしてしまうことになりかねません。
- 会陰切開をすることで、腟内の筋肉が断裂するのを最小限にし、産後に膣がゆるんでセックスライフに支障がでたり、入浴の時膣に水が入ったり、膣が下がってくるのを防ぎます。
- お母さんにとっていちばんつらい分娩第2期を短縮することで、母体の疲労を少なくするというメリットもあります。
- 会陰切開の痛み・違和感について
- 会陰切開の痛みは切開するその時よりも縫合後に強く感じられるもののようです。2日目、3日目と徐々に楽になりますが特に痛みが強い場合には痛み止めを処方してもらうとよいでしょう。
- 会陰部はとても傷の直りの良いところですので9割方は1ヶ月検診のころにはほぼ回復して痛みも無くなります。それでも多少はつれたような感じや性交時の違和感が残ることもありますが3ヵ月のうちに消失します。また帝王切開の傷跡のように、体質によってケロイド状になるということも殆どありません。またセックスの時に傷が裂けることはまずありません。
- 会陰切開をするタイミングは、陣痛に合わせて出たり引っ込んだりしていた赤ちゃんの頭が、陣痛のない間も赤ちゃんの頭が見えている状態になった「発露」の時期です。原則として局所麻酔をした後、赤ちゃんの頭を傷つけないように先が丸くなった専用のハサミで切開します。ハサミを入れる場所は、会陰の中心部から斜め下方向か、肛門に向かって真下かのどちらか。原則として1カ所です。また会陰切開をする前にその部分を剃毛する場合もあります。
- 縫合は赤ちゃんが産まれ、胎盤が出た後に行われます。場合によってはここで局所麻酔を追加することもあるでしょう。糸は炎症反応の少ない合成吸収性縫合糸を使っています。
- 縫合は1針ごとに結ぶ結節縫合が、一般的です。しかし和裁の袋ぬいのように連続して縫合する方法で痛みや違和感を改善しようという試みもあり、ここでも痛みの少なく回復のいい会陰切開に向けての改善が進められています。
- 吸収糸を使えば原則として抜糸は必要ありませんが、5日目の診察時に医師が判断し必要なようならば一部抜糸を行うこともあります。
- われわれは会陰切開の是非というより、もっと大きな意味での産道保護・胎児保護という観点から分娩を考えるようになればと願っています。分娩の進行の中であらゆる危険を想定して、すべきだと判断したときに会陰切開を行っているのです。どんなお産であろうとも一番は元気な良い赤ちゃんを生み、円満な両親のもとでよい子に育てることです。その一つの手段として会陰切開があるのです。
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一歳を過ぎたのになかなか断乳出来ない方へ。その他、断乳を希望される方へ。
- 一歳過ぎまで母乳を飲まされたのであれば「断乳」という表現より「卒乳」という考え方をされた方がよいと思います。お母さんにとっても、子供さんにとっても”もう十分飲んだので終わりにしようか”と子供さんにも問いかけてみて、納得されれば終わるように考えて、いつ最後にするか子供さんにも良く話をしておきましょう。
- 卒乳を決めた日は、一日、お母さんが十分に遊んで上げて夜寝るときしっかり飲ませてこれで終わりにしようと子供さんに確認をしておくとよいと思います。その夜から2.3.日泣くかもしれませんが、夜中にお菓子やジュースを与えることは良くありません。しっかりあやして上げるのが一番かと思います。
- オッパイの方は少量づつでも飲んでいたのを止めると緊満を感じられると思います。そのため卒乳の日からしばらく食べる料をやや控えめに特に夜の授乳のパターンだったようですので夕食は早めに控えめにする方がよいと思います。又入浴も風邪を引かない程度に、オッパイは温めすぎないよう気をつけます。およそ3日くらい乳房に触れないようにします。3日過ぎると緊満が強ければ少し圧を抜く程度搾乳します。搾乳の際乳頭や乳輪を刺激しすぎないよう注意しましょう。そしてまた3日程度ふれないようにして、圧抜きというパターンを3〜4周期繰り返します。すると緊満を感じなくなるので、そうなったとき残っているオッパイを全て搾乳するとすっきり終えることが出来ると思います。