新生児聴力検査


新生児の聴力異常の頻度

日本では、聴力障害をもつ赤ちゃんが、1,000人に1〜6人の割合で、毎年数千人誕生していると推測されています。聴力障害は他の先天性異常に比べて比較的頻度が高いにもかかわらず、これまでは検査されていませんでした。

聴力異常の影響

赤ちゃんは成長と共に、耳からお母さんの声や音楽などを聞き、それに反応して脳が学習してゆきます。ところが、聴覚に障害をもった赤ちゃんは、耳から音や声などを聴くことが難しいため、言葉を覚え、言葉を理解する能力の発達が遅れます。

「生後36ヵ月の正常聴力児の語彙は平均700語、誕生時に聴力障害を発見して対策を施した子供は約500語を習得し、生後6ヵ月で発見して対策を施した子供は300語、2年で聴力障害を発見された子供はわずか25語の語彙であった。」

新生児期および乳幼児期の聴覚障害は、親や医師によって発見することが困難で、日本では、発見が平均2.5才と、言語発達に一番重要な時期からはるかに遅れた段階で発見されているという実情にあります。

聴力検査の勧め

聴覚異常の早期発見のためには、すべての赤ちゃんの聴力検査を産院で退院前に行う必要があります。聴力障害をもって生まれる赤ちゃんの50%は、ハイリスク要因をもっていない赤ちゃんに発生しているという実態を受け止めると、万一に備えるために聴力検査がぜひとも必要です。

従来は専門医が一時間以上かけて行っていた新生児聴力検査ですが、近年ABR(聴性脳幹反応)法という新しい聴力検査方法が開発され、実用化されました。この方法だと、ごく短時間(数分間)で簡単に検査を行うことが出来ます。もちろん、赤ちゃんへの影響は全くありません。

当院でもABR測定装置(ネイタスアルゴR)を常備し、ご家族のご希望があれば、新生児の聴力検査を行うことが出来ます。検査時はお子さんは眠っている必要があります。6ヶ月まで可能な検査ではありますが、生後すぐの方が検査しやすいので当院では原則として生後2日目に検査を行っています。(なお広島市では現在のところ健康保険や公費による援助のがありませんので、検査費用7000円をご負担いただいております)

厚生省の動き

厚生省は、1999年8月に、新生児の聴力検査の必要に鑑み、5年以内に、1年間に生まれる約120万人すべての新生児を対象に、聴力検診を行なう計画を発表しました。

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